あなたは今の職場に「信頼感」を感じていますか?

職場の雰囲気や信頼関係は、社員のモチベーションやパフォーマンスに直結する重要な要素です。実際、信頼があるかないかで、組織全体の生産性や離職率、さらには売上にまで大きな差が生まれることが、さまざまな調査から明らかになっています。

今回は、信頼がある職場と信頼がない職場の違いと、信頼がない職場をどう改善すればよいのか、具体的な手法もご紹介します。


「信頼感」がないと、こんな問題が起こる!〜データで見る職場の実態〜

信頼関係が欠如した職場では、何が起こるのか?それを裏付けるデータをご紹介します。

【信頼がない職場の弊害:データで見る現実】

  • Gallup社の調査(2023年)によると、職場に信頼感があると回答した社員は、ないと感じている社員に比べてエンゲージメントスコアが21%高い
  • **Google社の「心理的安全性に関する研究」**では、心理的安全性(=信頼感)が高いチームほど、業績・創造性・離職率・満足度の全てが良好であると報告。
  • 日本の中小企業における機会損失:Rebirth Of Lifeの実績によると、信頼や主体性が欠如した職場では、社員の問題対応やクレーム処理、生産性の低下、離職などによって年間1億円以上の損失が発生する場合もある

これらのデータからも明らかなように、信頼感の欠如は「社内の空気が悪い」だけでは済まず、会社の業績そのものに直結する重大な経営リスクなのです。


「信頼がある職場」の特徴とは?空気感で分かる4つのポイント

信頼がある職場には、共通する空気があります。その空気感は、次のような行動や雰囲気に表れます。

  1. 率直なコミュニケーションが活発
  2. 建設的なフィードバック文化
  3. 多様な意見を受け入れる土壌
  4. 自然なチームワークが根付いている

こうした職場では、自分の意見をハッキリ言うことができ、活発な議論が行われます。仮に「NO」と言われたとしても、周囲が受け止め、建設的なフィードバックが行われるので、意見を言うことに対しての恐怖感はありません。社内がこのような状態になっていると社員一人ひとりが安心して意見を言える心理的安全性があり、自ら考えて行動する主体性が育まれます


「信頼がない職場」のサインとは?見過ごせない兆候

逆に、信頼がない職場では、次のような空気が蔓延しています。

  • 無言の圧力と緊張感
  • 他人に対する疑念や責任転嫁
  • 批判的・感情的なフィードバック
  • 属人化と非協力的な姿勢

このような環境では、ミスを恐れて萎縮し、新しいアイディアも生まれません。社員が受け身になり、社長やトッププレイヤーだけに負担が偏る「ワンマン経営」の悪循環に陥りやすくなります。

信頼がない職場で具体的に起きる問題とは?

信頼感が欠如した職場では、表面的な「雰囲気の悪さ」だけでなく、次のような実害が日常的に発生します。

【具体的に起こる問題】

  1. 情報が止まり、業務に遅延が出る
    • 担当者が「報告しても意味がない」「言ったら怒られる」と感じてしまい、問題がエスカレーションされず、トラブルが拡大。
  2. 責任の押し付け合いが常態化
    • 「自分が悪いと思われたくない」心理から、原因究明よりも保身に走り、建設的な対話が不可能に。
  3. 指示待ち・受け身の社員が増加
    • 誰かが決めてくれるまで動かない「思考停止」状態。結果、マネジメント負荷が過剰に増加し、社長一人が疲弊してしまう。
  4. アイディアや改善提案が出なくなる
    • 否定されるリスクを避けるため、社員は口を閉ざし、活発で建設的な議論がなされず会社は停滞。
  5. 人材の流出が止まらない
    • 「ここにいても成長できない」と感じた社員が次々と退職。採用費・教育コストのロスが拡大。

なぜ職場の信頼は崩れてしまうのか?

信頼がない職場は、突然そうなるわけではありません。次のような要因が積み重なることで、じわじわと信頼感は蝕まれていきます。

【信頼が失われる要因】

  1. トップが一方通行の発信を続けている
    • 指示や命令が中心で、「聴く姿勢」がないと、社員の声が封じられ、疎外感が強まる。
  2. 成果主義が過度に強調されている
    • 数字だけで評価されると、社員間でギスギスした競争が生まれ、チームワークが崩壊。
  3. 感情的な叱責・フィードバック
    • 上司が感情任せに怒る、人格否定をするなどがあると、社員は「守り」に入り、建設的な提案をしなくなる。
  4. 理念や価値観の共有がされていない
    • 組織の目的や方向性が曖昧なままだと、社員は迷子になり、共通の価値観による信頼が育たない。

信頼がない職場に共通する最大の原因とは?

Rebirth Of Lifeが100社以上の支援を通して得た共通点は、「経営の見える化が出来ていないこと」でした。

理念、方針、評価制度、役割、戦略、数値目標など、会社の根幹に関わる情報が曖昧で、社員が「何をどうすればいいか分からない」状態に陥っていることが多かったのです。

「迷路に入っても、地図を渡されていない」ような職場では、信頼関係どころか、自律的な行動も期待できません。


信頼感を高めるためにやるべき具体的なアクションとは?

信頼関係は「仲良しごっこ」では築けません。重要なのは、“仕組み”と“対話の質”を高めることです。以下に、信頼を高めるために特に効果的なアクションを詳細に解説します。

1. 理念の浸透と共有型ビジョンの確立

  • パーパス・ミッション・ビジョン・バリューを明文化し、全社員に「自分たちが何のために働いているのか」を腹落ちさせる。
  • 朝礼や月次会議で、経営理念の言語化ワークを実施する。

2. 定期的な1on1ミーティングの導入

  • 社員1人1人と週1回〜月1回のペースで面談。
  • 「業務の進捗」だけではなく、「気持ちの変化」や「不安の種」にフォーカスする。

3. 役割と責任の明確化

  • 「誰が何を担当しているか」を明確にし責任の所在を明らかにする。
  • 組織図と職務記述書を整備し、各自の責任と裁量を明示。

4. 感情を扱う組織文化の醸成

  • 「感情は仕事に持ち込むな」は過去の話。心理的安全性を担保するため、感情の共有が自然にできる場を設ける(例:感情共有タイム、Good&Newなど)。

5. 成果だけでなくプロセスも評価する制度改革

  • 成果だけでなく「挑戦したか?」「学びをチームに共有したか?」といった観点を加える。
  • 信頼感を高めるには、「結果を出した人だけが偉い」という構図を崩す必要があります。

6. 研修よりも「共に体験する」取り組みを

  • 例えば、「合宿形式でビジョンを語り合う」「理念の体現エピソードを共有する」など、感情と価値観が交差する機会を意図的に作る。

まとめ:信頼は“築く”ものであり、仕組みで育てるもの

職場の信頼感は、偶然に任せるものではなく、意図的に育てるものです。

NO2代行では、「社長が1ヶ月いなくても業績が伸びる組織」を目指し、信頼関係を築くための仕組みづくりを4つのステップで支援しています。

信頼感を取り戻すには、

  • 理念の浸透
  • 方針と役割の明確化
  • 業務の仕組み化
  • 継続的な学びと成長機会

この4つを丁寧に積み重ねることがカギです。

あなたの職場にも、「信頼感を土台にした成長の空気」を育てていきませんか?